繰り上げ返済を前提に住宅ローンを組んではいけない
2020.05.27
返済期間を長くすれば月々の返済額は少なくなります。買える住宅の範囲がグッと広がりますが、借りたローンが軽くなるわけではありません。人生の後半の方が、経済的にキツくなるからです。

欲しい物件が目の前にあると、将来のことを見渡す目が、しばしば曇ることがあります。家の価格は額面年収の5倍まで、借入額は4倍までというのが、ひとつの目安です。

年収が650万円なら、5倍として3,250万円までです。借入額の方に注目すると、ローンを組む目安は4倍の2,600万円くらいです。

例えば、頭金に充てられる資金が400万円あるとすれば、3,000万円くらいの物件が目安になります。因みに、頭金の他に残す貯蓄として月収6ヵ月分、住宅取得に伴う税金や保険料など諸費用に300万円が必要です。

借入額の目安は年収の4倍と書きましたが、借入金利が低い時はもう少し緩和して考えることができます。しかし、更に1,000万円も多く借りようとする場合は本当に返済できるのか、よく検討する必要があります。

自分の年収から考えて住宅ローン額が多いと感じても、欲しいという気持ちが強いと返済期間を70歳や75歳まで長く組むことで自分を納得させがちです。

販売会社や不動産業者の人もキツイ返済額にするよりも長く組んで繰上返済していく方が安心ですと話したりするので、そうだと思うわけです。

確かにキツイ返済額で組んで返済が滞るよりもキチンと返済して繰上返済していく方が安心して暮らしていけると思います。

しかし、今は繰上返済が可能に思えても妻が仕事を辞めたり、子供の教育費が思いのほか掛かったりと収入面で想定していないことが起こることがあります。

繰上返済が思うようにできなかった時に老後までローンが続くと後で苦労するのが目に見えています。年金の中から住宅ローンを返済していくのは殆どのサラリーマン家庭では無理です。

実際に現在の厚生年金を受け取っている家庭の平均受給額は約23万円です。一方、生活費の平均は26万円です。ここに住宅ローン返済が加われば大きな赤字になります。

返済し終えるまで働いて年金を補っていく必要があります。どうしても退職後も続く長いローンを組むことになった場合は返済が始まるのと同時に繰上返済用の積立てをスタートしましょう。

金額の目安の立て方はこう考えます。退職までに終わるローンで組むと2,000万円までの借入額。75歳まで伸ばすと2,800万円まで借り入れられるなら、差し引き800万円です。

本当は利息がこの他に掛かってきますが、繰上返済していかなければならない目安を付け易いように800万円と元金で大まかに考えてください。

教育資金も貯めながら繰上返済用の資金800万円を如何に早く積み立てていくかがポイントです。1年間に100万円積立てられるなら8年で退職まででほぼ終わるローンになっています。

この返済ペースをできるだけ維持するようにお金の使い方を管理していくことが必要です。長く組んだローンを現役人生の中でつじつまを合わせるには、繰上返済するという気持ちだけでなく、実行に移す家計にすることが肝心です。
2020.05.27 11:04 | 固定リンク | 日記

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